アタラ合同会社(以下アタラ)は2009年に設立されました。今回はCEOの杉原 剛氏にご登壇いただきました。アタラは「運用型広告に関する職人集団、エキスパート集団」(杉原氏)として、Web APIを活用したシステム開発と、運用型広告に関連したコンサルティングを事業として行っています。また、杉原氏の書籍や広告運用者向けの「Unyoo.jp」などで情報発信をされています。
レポート作成に工数を取られ、分析や最適化に時間を割けない
杉原氏は、運用型広告に関連する代理店、広告主にとっての課題をはじめに紹介しました。
デジタルマーケティングの施策は増え続けています。加えてそれを分析する指標も増え、複雑を極めている状況です。そのためレポート作成の工数も非常に大きな負担となっています。月初は1週間から10日、レポート作成に費やすという話もあります。それによって本来行うべき分析や最適化に時間を使うことができていないという実情には、会場の多くの参加者も頷く部分でした。
「glu」でレポート作成を自動化
アタラが開発、提供している「glu」は、運用型広告レポート作成支援システムです。
「デジタルマーケティングデータを投稿して色々な形で集め、データベースに貯め込んでレポート作成を自動化する。朝来たら好きな形のレポートができている、ということを実現できます」(杉原氏)。Excelのフォーマットで出力もできますし、ウェブのインターフェイスで見える化することで、広告運用者もリアルタイムで施策の効果を測定し、PDCAを回すことを可能にします。
幅広い広告メディアからデータを収集、独自連携に強い優位性
「glu」の機能は大きく3つ、1つ目は「データを集めてくる機能」、2つ目はそれを「集約し集計する機能」、そして「見える化する機能」です。
集めてくる部分は幅広い広告メディアに対応、ディスプレイ広告やDSPも含めて広範に対応しています。特にDSP事業者によってはAPIを持っていない事業者もあるので、その部分はアタラとして独自に連携を行っていることが、競合サービスに対して優位な部分と言えます。更にそれらのデータを自動的に集計して統合することができます。
見える化する機能の部分ではカスタムレポートで、事業主、広告主の細かいリクエストに対応します。一度カスタマイズを行ってしまえばあとは自動化したレポーティングが可能です。
ダッシュボード構築プロセスに組み込むことが可能
「glu」のこれらの機能によって、大げさではなく数千時間の工数削減と、自動的に高度かつ広範な分析が可能になります。また、手作業による単純ミスもなくなります。集約、統合したデータは、「DOMO」や「Datorama」といったビジュアライゼーションツールのデータのもととして活用できます。ダッシュボード構築の一連の流れの中に組み込んで活用できるのもgluの特徴です。
運用型広告データをコネクトし、更なるデジタルマーケティング施策に
「glu」と「TREASURE CDP」との連携は最近実現しました。
「TREASURE CDP」の運用では、データソースからデータを収集する部分に課題があります(APIが公開されていない場合)。「glu」と連携することで、「glu」が貯め込んだ運用型広告のデータを「TREASURE CDP」に流し込むことが可能となり、より多様なデータソースからのデータが連携されます。
「TREASURE CDP」では運用型広告以外のデータを幅広く収集、蓄積していますので、例えば「glu」が収集した運用型広告のデータと「TREASURE CDP」でストックしたテレビに属するデータも時系列に並べてその連携データの相関が分かるようになると杉原氏は説明します。
データの可視化やダッシュボード化、レポーティング、アラート、先々の予測解析などの施策が、一旦「TREASURE CDP」にデータを格納できれば実現できる可能性があります。「TREASURE CDP」の管理画面から「glu」のコネクタを選んでいただくことで、これまで取得が困難だった運用型広告データも収集することができますので、今あるデジタルマーケティングデータを一層リッチにし、様々な施策が実現できるようになるでしょう。
トレジャーデータは2018年、デジタルマーケティングの祭典「TREASURE DATA “PLAZMA”」を開催します。「Network Showcase」の規模を拡大、デジタルマーケティングの最新トレンドを提供し、デジタルトランスフォーメーションを加速させるイベントです。2018年2月19日からスタートします。イベントサイトでプログラムの詳細を紹介しています。