デジタル文化を社内に浸透させるためのヒント
DXプロジェクトの担当になったものの上手く社内を巻き込めない、デジタルツールを導入したいが社内の理解を得られない、というお悩みはよく耳にします。
導入の際のハードルの他にも、導入は決定したものの、その後の構築の段階で社内がまとまらないケースや、導入したものの活用されないといったケースもあるでしょう。
この記事では、そうした「社内のデジタル化」にお悩みの方へヒントをお届けします。
<目次>
デジタル導入の心理的ハードルを下げるための3つのポイント
今も昔も「新しいことへのチャレンジ」はハードルは高く、新型コロナウイルスの影響でデジタライズが進んでいると言われる昨今でも、「デジタル導入のハードル」はいまだに残っています。そうした状況の中で社内の理解を獲得し、デジタル導入を進めるための3つのポイントをご紹介します。
・「目的」を理解してもらう
デジタルツールは「手段」に過ぎません。「ツールを入れたいのではなく、会社の○○という目標を達成するための手段としてこのツールを導入するのが有効である」という「目的」を理解してもらえるように説明してみましょう。
また、導入が決定した後も「目的」を意識することが重要です。プロジェクト発足当時に「目的」を設定したのにもかかわらず、プロジェクトが進むにつれて実装を完了することが優先になり、当初の「目的」が薄れていってしまうケースもよくあります。
そのような事態を防ぐためにも「目的」への接触回数を増やし、メンバーへの意識付けをすることをおすすめします。
・「手段として最適だ」と理解してもらう
「目的」が理解されているにも関わらず導入が進まない理由は、手段としてそれが最適だということを説得できていないからかもしれません。
ツールの比較をPros/Consマトリクスにして整理したり、同業他社や海外の最先端事例を紐解いたりして、説得の材料を揃えましょう。
・効率化→高度化のストーリーで伝える
しかしそれでもうまく導入が進まないとすれば、自社に導入した時のイメージができていないことが原因かもしれません。
デジタル化というと「デジタルを使って新しい顧客を発掘してアプローチすることができる」などといった「高度化」の側面ばかりフォーカスされるかもしれません。しかし、導入前に「高度化」の効果を見積もるのは簡単ではないでしょう。
一方、「効率化」の期待効果は比較的容易に示すことができます。導入後のイメージがしやすい「効率化」に先にフォーカスすることで「高度化」をより効果的に実行することができるようになります。
話をする順番も「効率化」の話から徐々に盛り上げ、「高度化」の話でクライマックスを迎えるというストーリーの方が納得を得られやすいかもしれません。
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株式会社ストライプインターナショナルでは、顧客データの統合基盤として「Treasure Data CDP」を導入し、在庫フォローの仕組みを応用してシステム化し、これまで人が対応していた工数年間2,340万円分のコスト削減効果を実現しました。
ストライプ社では、事業部を巻き込んでDXを推進するためのポイントとして「いきなり大きな成果を狙わず、業務効率化など定量化できるものを目的において説明する」ことを挙げています。導入後のイメージがしやすい「効率化」に先にフォーカスした実例です。
社内を巻き込んでDXを推進していくヒントとして、ストライプ社の取り組みは参考になるはずです。
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