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CDPで実現する!BtoB企業の営業活動高度化

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BtoBにおける「営業活動高度化」を目的に、Treasure Data CDPを導入される企業が増えています。一方で「BtoCのCDPの取り組みに比べて、BtoBでの具体的なイメージがわかない」という方もいるのではないでしょうか。

そこでこの記事では、営業活動高度化におけるCDPの活用ポイント、CDPで構築すべきデータセットについて、トレジャーデータ株式会社でオンボーディングを担当している小暮がお伝えします。

  • 小暮 和基
    小暮 和基
    トレジャーデータ株式会社 Customer Onboarding

    前職ではIoT製品を開発・販売するスタートアップ企業のマーケティング担当として、戦略立案から施策実行、自社メディアの運用や販売チャネル分析など幅広く担当。2019年にトレジャーデータに参画。カスタマーコンサルティングを経て、2020年以降カスタマーオンボーディングに所属。

<目次>

「CDPにおける営業活動高度化」に必要な2つのポイント

まず結論をお伝えすると、BtoB業態の企業の「CDPによる営業活動高度化」において必要なポイントは以下の2点です。

  • 個人(担当者)”と”法人(アカウント)”という2つの視点
  • 2つの視点を具現化するため「担当者ごとの個人単位DB」と「アカウントごとの法人単位DB」の構築

どういうことか、詳細について解説していきます。なお、以降はBtoB業態の企業を”B2B企業”、BtoC業態の企業を”B2C企業”と記載します。

B2CとB2Bの違い

「B2C企業におけるCDPの取り組みはイメージできるけれども、B2B企業では取り組みの具体的なイメージがわかない」と言うお客様は多くいらっしゃいます。業態がB2CであってもB2Bであっても「顧客個別に適切なコミュニケーションを実行する」というCDPの利活用方針は同じですが、B2B企業でそれを実行することの難易度は高いと思われがちです。

なぜB2Bだと難易度が高く感じるのでしょうか?それは検討/決裁プロセスが、B2CよりもB2Bの方が実際に複雑だからです。B2CとB2Bの検討/導入(購買)プロセスを比較すると、一般的に以下のような違いがあります。

B2CとB2Bの一般的な検討・導入プロセスの違い

「B2B企業ではCDP取り組みの具体的なイメージがわかない」という方の話を聞くと、「複雑な検討/導入プロセスの中でCustomer(=担当者)を追っているだけでは、企業としての商談検討ステージが現状どこなのか?次に打つべき手は何なのか?がわからない」という考えが背景にあるようです。契約するかどうかは担当者個人ではなく、最終的には企業としての判断になるので、担当者個別のデータ管理にどれほどの意味があるのか、という疑問です。

その場合、私は以下のようにお答えします。

ー CDPは個人(担当者)単位でのデータマネジメントができますが、企業全体を”法人”と捉えてステータスやActivetyをデータ管理することもできます。提案先企業を個人と法人の2軸で捉えることで、企業としての商談検討ステージや次にとるべき打ち手が見えてきます。

”個人”と”法人”の2つの視点を持つ意味

提案先企業を個人と法人の2軸で捉えることの意味について、デマンドジェネレーションの手法を採用している企業を例にとり解説を加えていきます。デマンドジェネレーションはB2B企業の営業プロセスを構造化&細分化し、各フェーズで効率的なアプローチを導入するためのフレームです。

※解説の便宜上こちらのフレームを利用しますが、必ずしもデマンドジェネレーションを導入していなければCDPによる営業活動高度化ができないわけではありません。

デマンドジェネレーションの一般的フレームでは、営業活動を以下図のように細分化しています。各フェーズで最適なアプローチをとるためにそれぞれ異なるシステムが利用されているため、データのサイロ化が見て取れます。(製品/サービスマスタのデータがあったり、各フェーズに紐づく分析ツールがあったりするなど実際はより複雑です)

図1)一般的なデマンドジェネレーションと各ファネルで利用されるツール/システム

一般的なデマンドジェネレーションと各ファネルで利用されるツール/システム

CDPでは、図1の下部にあるサイロ化されたツール/システムのデータ統合を図ります。これによりファネルやツール間を跨いだ顧客の属性や行動を把握することが可能となります。このデータ統合の際、多くの場合、担当者IDを振ったりE-mailアドレスなどでデータを突合していきますが、先述したようにB2Bはその検討/決裁プロセスの複雑さから担当者だけを追っていては見えないものがあります

例えば「対象企業におけるOpportunityの評価」や「担当者の行動やコミュニケーションがOpportunityに与える価値の評価」、「次にとるべき打ち手の検討」などです。これらはB2B企業の営業にとって非常に重要な項目であることは明らかであり、これなしに適切なコミュニケーション設計や本質的な営業高度化は実現できません。

その解決策が、企業単位でデータマネジメントを実施することです。つまり、個人(担当者)単位でツール/システムのデータ統合を実施したように、企業をヒトと見做し「法人」という単位でデータ統合します。その結果、B2Cでは個人単位で購買ファネルのどこにいるかや購買見込を判定しているように、法人単位で商談ステータスやOpportunity評価を実施できるようになるのです。

Treasure Data CDPでは、個人に紐づくデータを”Attribute Table(属性データテーブル)”と”Behabior Table(行動データテーブル)”の2種に大別しており、これを法人に置き換えると、Attribute Table=「会社情報」、Behabior Table=「その会社に属する個人から成された行動データの集積」となります。

図2)個人単位と法人単位のデータセット

個人単位と法人単位のデータセット

個人単位および法人単位のデータは、それぞれ片方だけでは機能しません。個人単位だけではOpportunityの評価ができず、一方で法人単位だけでは担当者個々人とのタッチポイントが不明瞭になってしまいます。

また、B2B企業では基本的に担当者個別に向けた施策を検討・実行するため、ファネル中期以降は特に、施策面においても法人単位のデータを揃えるだけでは機能しません。個人単位DBと法人単位DBを行き来しながら、分析やコミュニケーション設計を行っていくことが重要です

最近では、MAを導入されている企業も非常に増えておりますが、基本的にMAは図2の「個人単位DB」の領域で機能するツールなので、法人単位DBに相当する部分が欠けてしまいます。MAによっては企業単位でデータ利活用する機能を持つツールもありますが、取得するデータ範囲・項目または粒度の問題から、ここで挙げた法人単位DBに求める役割をMA単独で果たすことは困難です。

B2B企業の営業高度化に向けたデータ設計

ここまで、B2B営業高度化には2つの視点が必要であると述べてきました。では全体としてどのようなデータ統合をしていくべきなのか、最後に補足的に触れます。企業個々の業態やビジネスモデルに依る部分が強くあるため、あくまでも一般的な例として捉えていただければと思います。

図3)CDP内で構築される統合データ

CDP内で構築される統合データ

まず、リード情報取得前のAnonymous(匿名)領域では、オウンドサイト訪問者のアクセスデータを中心に紐づくデータを主にcookieIDをベースに統合していきます。これが「1. 広告&アクセスデータ統合DB」。

また、リード情報取得以降のNamed(リード情報取得済み)領域では、「2.個人単位DB」と「3.法人単位DB」のデータ統合を実施します。この際、個人単位DBではemailを統合時のKeyとし、また法人単位DBでは「法人ID」を新たに発番して統合Keyとする場合が多いです。

この記事では詳細には触れませんがこの状態までデータを整備することができれば、以下のようなステップでコミュニケーション施策に落とし込むことができます。

ステップ 利用DB イメージ
1 顧客企業のセグメント分析・分類 法人 成約しやすい企業は(主に属性情報において)どのような特徴があるか?
e.g.) 業種x従業員規模で成約率が異なるか?
2 データ上の成約条件把握、目標設定 法人/個人 主に行動情報において、成約に至りやすいデータ条件とはどのようなものか?
e.g.) 各担当者に対し何回程度の商談が必要か?
3 設定された目標を達成するための因子・有効ドライバの分析 法人/個人 決裁者向けにDemoをすることで成約率が異なる。Demo実施には決裁関与者2−3名の巻き込みが必要だ。
4 コミュニケーションシナリオの策定、施策への落とし込み 個人 いつ、誰に、どんな内容で施策実行していくかの検討

2以降のステップは1で導出されたセグメントごとに実施されます。もし複数製品やサービスを展開していれば、その単位でセグメント分類を行うケースも出てくるでしょう。また、4はMAのシナリオ設計のステップと非常によく似ています。またこれを特定企業ごとに行えばABM(Account Based Marketing)という手法となります。

ただし、実際にこの1-4のステップをこなすには相当の労力を要します。また成約/解約に至りやすい状態をデータでは表現できないケースなど、保有しているデータの中に必ずしも解が含まれている保証もありません。営業担当の方などと連携し、実際の提案現場の意見も傾聴しながら策定することをオススメします。

おわりに

冒頭にも記載した、この記事のポイントを改めてお伝えします。
BtoB企業の「CDPによる営業活動高度化」において必要なのは

  • ”個人(担当者)”と”法人(アカウント)”という2つの視点
  • 2つの視点を具現化するためのデータセット構築(担当者ごとの個人DB、アカウントごとの法人DB)

B2Bにおける営業プロセスは複雑です。取り組めば取り組むほどその奥深さを突きつけられます。しかし取り組んだ分、効果として実感できる領域でもあると思います。昨今ではコロナ禍により営業プロセスのデジタル化が強制されている背景もあり、ニューノーマルに向けた”営業体制のデジタル化”をいかに早く構築できるかが競争優位性に直結します

ぜひそのような取り組みをトレジャーデータとご一緒いただければと思います。

BtoB領域でのデータ統合・活用を進めたい企業様へ、CDP導入のご相談も承っております。
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トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。組織内に散在しているあらゆるデータを収集・統合・分析できるデータ基盤「Treasure Data CDP」を提供しています。デジタルマーケティングやDX(デジタルトランスフォーメション)の根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングカンパニーに導入いただいています。
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