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「店舗検索データ」を活用し、未来の顧客にアプローチする|株式会社ONE COMPATH

LIGHTNING TALK|株式会社ONE COMPATH 取締役CMO 山本 広樹氏

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多くのWebサイトで組み込まれている機能の1つである「店舗検索」。この機能を「店舗検索ASP」という名称で、数多くの企業のWebサイトに提供しているのが、株式会社ONE COMPATH(以下、ONE COMPATH)です。同サービスは「誰がどの位置でどの店舗を検索したか」といった情報を取得できるため、この情報を活用し来店前の顧客への適切なマーケティングにつなげることが可能になります。同社の取締役CMOの山本広樹氏は、「PLAZMA 2019 JAPAN IT WEEK 春」の講演にてその効果を語ります。

法人向けの「店舗検索ASP」とは

日本最古のインターネット地図検索サービス「Mapion」を提供するONE COMPATHは、2019年4月にマピオンから社名変更して新たにスタートを切った企業だ。同社が手掛ける事業は主に4つ。(1)Mapionを中心にコンテンツや広告配信を行うメディア事業と、(2)消費者向けの課金サービス事業、(3)地図を使ったソリューションを企業向けに展開するプラットフォーム事業と、(4)位置情報を元にテジタルマーケティングを支援するビジネスインテリジェンス事業だ。

中でも同社のプラットフォーム事業は、250社以上の顧客を抱える重要な事業だ。同事業の中核となるのは「店舗検索ASP」サービス。これは、店舗や施設などの拠点データを顧客企業から預かり、企業のオウンドサイト内の検索や案内コンテンツを提供するというものだ。マルチデバイス対応で、機能やデザインのカスタマイズもONE COMPATHが担当、運用ツールも完備している。

「多くの企業が、店舗検索を導入したいものの運用に不安を抱えていたり、店舗数が多くてデータの管理が大変だと感じていたりします。また、お店の位置がわかりにくいのでわかりやすい地図で表現したい、統一感のあるサイトでブランディングを強化したいという要望も持っています」と山本氏は述べる。こうした課題や要望を抱える企業におすすめできるのが店舗検索ASPだという。

他システムとの連携も可能な店舗検索機能を組み込める

店舗検索ASPは、特に金融機関における導入シェアが高く、「地方銀行・信用金庫における有料地図ASPでは導入率ナンバーワン」だと山本氏は言う(Google Mapsは、自社でAPIを作り込む必要があるため、有料地図ASPのジャンルには当てはまらない)。中でも地方銀行・信用金庫のオウンドメディアへの導入シェアは約30%で、2016年8月からの2年間で30銀行に導入した実績があるという。

同サービスが金融機関に選ばれる理由として山本氏は、迷わない地図が提供できることや、簡単かつ安価に導入できること、そして「地方銀行・信用金庫における導入実績がナンバーワンだからこそ、金融機関の要望を網羅できている点が大きいでしょう」と語る。というのも、同サービスではセキュリティを担保した上で、店番検索や50音検索、取扱いサービスのカテゴリ別検索など、金融機関に最適な検索方法を提供しているほか、コンビニATMも同時に検索できるようにしている。また、来店予約システムとの連携によって店舗検索ページから来店予約ができるサービスや、店頭の受付システムと連動し、店頭で発行された番号札の数によってリアルタイムに混雑状況が把握できるようなサービスも提供している。

来店予約との連携・コンビニATMを同時検索

収益に悩む地方銀行。地元以外での収益を狙う

店舗検索ASPでは、「誰がどの位置でどの店舗を検索したか」が把握できるようになっている。山本氏は、このデータがマーケティングに活用できると話す。

地方銀行の課題は、進学や上京による転居で休眠顧客率が高まっていることや、過疎や高齢化で実質顧客数が低迷していること、さらには地元経済が疲弊したことにより地元での収益が困難になってきたことなどだ。そのため多くの地銀では、地元以外にも目を向け、越境での収益を向上させようと取り組んでいる。

「実は地方銀行にも戦う武器はあります」と山本氏は語る。それは、自動車ローンや学費ローンなどの少額ローンだ。ただし、「そのメリットが越境ユーザーには伝わっておらず、知らせる手段もありません」と山本氏。越境で収益を上げるにあたって、それが大きな課題になっているというのだ。

来店前の顧客にWebでアプローチする

ここで、「誰がどの位置でどの店舗を検索したか」というデータが活用できると山本氏は言う。例えば、ある地方銀行の店舗検索のページで、ユーザーが現在地検索をしたとする。するとそこには、「港区芝浦から東京支店を検索した」といったようなログが残る。これは来店前に検索した可能性が高く、「これが顧客との接点につながります」と山本氏は主張する。

実際にONE COMPATHの顧客である某地方銀行のデータによると、店舗検索における検索先の61%が東京都内の店舗を検索しており、地元店舗を検索している人は28%にとどまったという。また、検索元は関東周辺が中心だったことから、「関東周辺から東京都内を検索しているユーザーが多い」ことがわかる。

つまりこれは、地元から離れた場所でアクセスしている越境顧客が、近くにある店舗を検索している可能性が高いことを示している。しかも、検索しているユーザーは、来店前の未来の顧客だ。「これこそ地銀が主要ターゲットとするユーザー層で、地銀が持つ武器の訴求に最適なタイミングです」と山本氏は説明する。

こうした情報が把握できると、来店前のユーザーに対し、地銀の強みである少額ローンのメリットを事前に訴求し、認知の形成を図ることが可能だ。その情報をユーザーに伝えた上で来店時に接客すると、商談の確度は大幅に高まることになる。山本氏は「店舗検索ASPによってデータを把握することで、越境顧客への効率的なコミュニケーションが可能です。これがわれわれのサービスのメリットの1つです」としている。

効率的な越境顧客コミュニケーションが可能に

山本氏は、「どこからどこを検索したかというデータを取得し、レコメンドという形で施策にアウトプットするという、データ収集から施策までの流れが重要です」と語る。同氏によると、ONE COMPATHではTreasure Data CDPと連携し、ASP・CDPパッケージプランとしてこのようなサービスを地銀に向けて提供する予定だという。

データ活用はできるところから拡張していく

現在世の中には、ビックデータやIoT、AI、ディープラーニング、BI、CDPなど、さまざまなバズワードが存在する。こうしたバズワードへの対応に悩む企業に対し山本氏は、「すべて一度に対応することはできません。まずできる範囲でスモールスタートするといいと思います」とアドバイスする。

例えば、データ収集から開始し、顧客を把握してみます。その先に施策となるレコメンドや来店へのプッシュを考えていくのです。これができるようになると、次はユーザーの金融商品に対する興味をデータベースに入れてみてください。そのデータを活用し、アドネットワークやDSPを使った広告配信ができるようになります。さらには、マーケティングオートメーションを使いながらユーザーにリーチし、ナーチャリングもできるようになるかもしれません(山本氏)

また、その先には詳細な顧客情報や入出金情報を把握したり、サードパーティのデータを加えたりしてより深くユーザーを分析することも可能だと山本氏は言う。さらには、BIツールなどで可視化したユーザー情報と、ユーザーの現在地の天候やジオデモグラフィックデータなどの環境情報を組み合わせることで、データにより厚みを持たせることができ、最終的に統計に活用できると山本氏は説明する。

「これらをすべて一度にやろうとしてもなかなかできません。まずは軸を作り、必要な部分を足していくのです。そこで最終的にデータ分析までつなげていきましょう」と山本氏は述べ、ONE COMPATHでこうした取り組みを進める企業を支援したいと語った。

トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。組織内に散在しているあらゆるデータを収集・統合・分析できるデータ基盤「Treasure Data CDP」を提供しています。デジタルマーケティングやDX(デジタルトランスフォーメション)の根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングカンパニーに導入いただいています。
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