各種マーケティングクラウドサービスを提供する株式会社プラスアルファ・コンサルティング(以下、プラスアルファ・コンサルティング)は、最新のテキストマイニング技術をクラウドで手軽に利用できる環境を提供しています。消費者の声を効率よく活用したマーケティング施策はどのように行う必要があるのでしょうか。
消費者の声を幅広く聞く「見える化エンジン」
プラスアルファ・コンサルティングは、ビッグデータを見える化しマーケティングに生かすためのソリューションを自社開発し、クラウドで提供している。そのうち基幹のサービスに位置づけられているのが「見える化エンジン」だ。クラウド上でのテキストマイニングにより、消費者の声を幅広く見える化し、マーケティングに活かすことができる。
マーケティング活動において「どの製品が」「どの日に」「どのくらい」売れたかというような、定量的な集計は一般的に行われている。これに対比させて、見える化エンジン事業部の望月セールスグループマネージャは、消費者の声を分析する難しさを次のように例示する。
「どうしてその製品が売れたのかという情報や、サービスを使ったお客様の感想を正確に把握するためには、テキスト分析が必要です。ただしテキスト情報は非構造化データと呼ばれるもので、1つひとつ目で見る必要があり、非常に難易度が高いものです。そこでテキストマイニング技術を用いることで、全体でどういう発言が何パーセントあったのか、どういう課題やニーズがあったのかということを、正確に把握できるようになります」
消費者の声は、近年では非常に多岐にわたるという。代表的な声には、コンタクトセンターに寄せられる電話やメールでの問い合わせ、能動的に取得するリサーチデータがあるが、これらに加えてTwitterやInstagramといったSNSのデータが加わっている。
製品に関する問い合わせ内容や件数を把握することによって、次の商品開発におけるヒントになり、既存サービスの改善点を抽出することが可能になる。「よくある質問」としてFAQ サイトを用意し、そこに誘導することで個別の問い合わせを削減させる効果も狙えるという。そして望月氏が「非常に重要」と強調したのが、ソーシャルメディアの分析だ。
「SNSの分析には非常にメリットがあります。まず1つは、競合他社の製品についても反響を分析できることです。他社と比較して自社の製品は何が評価されているのか、何が改善点なのかを分析できます。またSNSは、非常にリアルタイムな消費者の声を分析できるため、キャンペーンを打った即日に一般消費者の反応を知るのにも有効です」
こうした価値に着目した1,500社以上の企業が、同社の「見える化エンジン」でテキストマイニングを用いてきたという。リリースから11年目を迎える現在、887年連続シェアNo.1と高評価を獲得している。
テキストマイニングによって分析よりもアクションへ注力可能に
「見える化エンジン」はさまざまなデータソースに幅広く対応している。コールログやメールログ、アンケートの自由回答データ。他にも営業日報など、社内で保有するデータだけでも幅広いが、CSV形式であれば、いずれもインポートして分析することが可能である。
そして、Twitterの全量データ、Instagram 、ブログやレビューサイトなど社外のデータを取り込めるほか、ネット上のモニターからアンケートを取るネットリサーチ機能も備えているという。
こうしたデータを「見える化エンジン」に取り込むと、どのようなアウトプットを得られるのか、その一例を望月氏が紹介した。
見える化エンジンで、例えばある化粧品に関する調査データを取り込むと、まずはテキストを単語や品詞などに分類し、自動的に解析が始まる。そのデータでは、「ニキビ」や「サンプル」といった話題になっている単語をランキング形式で表示するほか、「係り受けランキング」に切り替えることで、「サンプルを使う」「メイクが落ちる」といったフレーズで見ることもできる。
さらに、ネガティブなものに絞り込むことによって「値段が高い」といった話題が明らかになり、自社製品やサービスの改善点を抽出することも可能だ。マウス操作のみで1つひとつ深掘りして事象を特定できるなど、気づきを得るためのさまざまなアウトプットが用意されており、視覚的にもわかりやすく表示される。
望月氏は、「消費者の声をマーケティングに活かすのに重要なことは、定量的な集計だけではなく、きちんとお客様の声、生の声を把握すべくテキスト情報を見ていくことです。また、その一件一件を目で見ていくのではなく、テキストマイニングという最新の技術を使うことによって、分析の工数を割くのではなく、アクションに注力していただきたいと強く考えています」と話している。