CDPと対話エンジンで「一歩先行くデジタル接客」を実現するには?|株式会社PKSHA Technology
LIGHTNING TALK|株式会社PKSHA Technology 開発事業本部 下村 勇介氏
ディープラーニングや機械学習を利用したアルゴリズムソリューションを提供する株式会社PKSHA Technology(以下、PKSHA)は、Treasure Data CDPの顧客データやWeb行動ログと連携し、対話エンジン「BEDORE」を活用したデジタル接客の最適化を実現します。
「より積極的に対話する対話エンジン」が求められている
近年、チャットボットが利用されているが、より積極的に対応できる仕組みがマーケットから強く求められている。「リアルの店舗であれば、顧客は商品に関する疑問や、手続き等で不明な点に対して、すぐにその場の店員の方に相談して柔軟な接客を受けることができます。しかしデジタル上では、顧客は自ら情報を探す必要性がありますし、かなり積極的に「相談したい」と思う人でないとカスタマーサポート窓口に相談してくれません。そこで、今後は、1人ひとりに合わせたプッシュ型の接客、コンバージョンを取れる接客が求められてきます」。こう語るのは、PKSHA の下村 勇介氏だ。
その根拠は、Eコマース業界に関する調査結果にも表れているという。リアルな店舗には、接客を通じて商品を探したいというニーズを持つ顧客も一定数いる。一方でネットショッピングの顧客は、情報が多すぎることや、探している商品の見つけにくさに不満を持っている。両者に共通するニーズは接客を通じて商品を探すことであり、そこでネットショッピングを支援するのがPKSHAの役割だ。
「PKSHAの戦略子会社であるBEDOREは、日本語の言語解析に特化し、自然な対話を行える対話エンジン製品を提供しています」と下村氏が紹介するのが、対話エンジン「BEDORE(べドア)」である。Eコマースのほか、メーカーや金融など業界を問わず幅広い企業での導入実績を誇り、その多くが大規模なCRMを有している日本を代表する企業だ。
CDPとの掛け合わせで能動的な対話が可能に
BEDOREでは例えば次のように活用される。「パスワードがわからない」との問い合わせに対して、文章を形態素解析することで、主語や述語の判断、単語の意味を判定。その結果をディープランニングで処理し、適切な回答を導く。
さらに複雑なケースとして、下村氏は航空券のチケット予約をイメージした活用例を紹介した。いつ、どこまで行きたいかを文章として入力すれば、足りない情報である人数を聞き返す。入力した内容の意味を理解し、それに応じてその後の対話フローを動的に変えることが可能だという。
これらは複雑な判断を実現しているものの、目的が明確なユーザーへの対応にとどまっている。求められているのは、より「声がけ」ができる対話エンジンだ。例えば買い物客がWebサイトで滞留しているようであれば、そこに興味を持ってもらえているのだと認識し、さらに深い情報を提供する。あるいは過去の購買情報をもとに商品をレコメンドする。
こうした今までの対話エンジンでは対応が難しかった接客を、BEDOREの柔軟な対話エンジンやTreasure Data CDPで持っているセグメント情報を掛け合わせることによって、動的に実現可能になる。シナリオが深くなっても適切な分岐ができ、対話を継続することができる仕組みを実現する。