オウンドメディアのコンテンツの価値を可視化する方法 | TRENDEMON JAPAN株式会社
LIGHTNING TALK|
TRENDEMON JAPAN Customer Success / Manager 嶋添 心悟氏
コンテンツを起点にしたカスタマージャーニー計測に特化した計測ツールを提供するTRENDEMON JAPAN株式会社(以下、TRENDEMON社)は、コンテンツROIの可視化と改善をサポートする同社の「TRENDEMON」とTreasure Data CDP(以下、CDP)との連携によって、実店舗で成約に結び付くオウンドメディア施策を実現可能にしています。
コンバージョンに寄与するコンテンツを可視化できていない実態
Sales/Marketing統括ディレクターの嶋添心悟氏は、ユーザーは購買決定までにサイト上の平均約11個のコンテンツに目を通しているとのニールセンの調査結果を紹介し、「この11個のコンテンツが可視化できていないお客様に、カスタマージャーニーの可視化によって、そのコンテンツが何なのかを明らかにしていきます」と、TRENDEMONの役割を説明する。
続けて「15%」という数字を示した。これはTRENDEMON社の調査により明らかになった、実際にオウンドメディア上の全コンテンツでビジネスゴール(=CV)に寄与している割合だ。「つまり残りの85%はコンバージョンに寄与していないのが実態です。この数字に驚くお客様も多く、それだけ自分たちのコンテンツがどれだけコンバージョンに寄与するのか把握されていないことも現実問題としてあります。」と、実情を紹介する。その背景を、「従来の計測ツールはコンテンツに寄り添ったものではなく、また、コンテンツの価値を把握するために必要なクロスドメイン間での計測をする際にもツール設定面でのハードルの高さなどもあり、結果として、カスタマージャーニーをしっかりと捉えることができていないことがあると思います。」と分析する。
コンテンツマーケティング計測に立ちはだかる大きな壁
- コンバージョンに寄与している記事はランディングページで判断するしかなかったため。
- WEBパフォーマンス監視におけるROI管理。
- やりたいことは決まっているが、それを実装するリソースが無い。またそれを実現したところで日々の運用で活かせるのか疑問がある。
- コンテンツがコンバージョンやその他ユーザーのアクションにどの程度貢献しているのかわからない。
- 質的な計測が難しい(GAの平均滞在時間が離脱者を計測できない。ヒートマップはKPI管理するのには難しい)
- 間接効果の計測が限定的、または、手間がかかる(リマケのリスト獲得に貢献していても、その貢献度を広告担当者に依頼しないと出せない)
- CVに至るプロセスを可視化しづらい(CVするユーザーがよく読むけど直接CVを生むわけではない記事の洗い出し等)、デバイスやドメインが分かれてしまい、何かするにも時間がかかる。
- 費用対効果がどうしても曖昧になってしまう。
- データ数の多さ。動線の複雑さ。
- KPI設定、メディア横断での計測。
- 端末をわたる計測ができなかった。
- 計測ツールを学ぶ負荷が重い。
⇒コンテンツ計測を困難なものにしていく多くの要因が従来の計測ツールの「複雑さ」と「トラッキング範囲」の限界、そして結果的にそれらが担当者の分析リソースの負荷を大きくし、コンテンツROIの適切な計測がされてこなかった。
「コンテンツ計測の世界標準」をミッションに掲げるTRENDEMON。カスタマーフルジャーニーをワンタグのみで実装、可視化できるダッシュボード内では、ランディング、ナーチャリング、ラストセッションと、3つのポジショニングごとにコンバージョンに寄与したコンテンツのスコアリングを独自のモデルで行う。また、読了率、回遊率などをもとに記事単位でのエンゲージメントのパフォーマンスを可視化することができる。
嶋添氏は「コンテンツがCVに貢献しているかだけではなく、そのコンテンツがエンゲージメントしているのかも含めて、コンテンツのスコアを算出しています」と、その特徴を紹介する。
CDPとの連携で、実店舗でのコンバージョンにもインパクト
嶋添氏は2つのケーススタディを紹介した。ある企業では、コンテンツが与えるビジネスインパクトの数値的可視化に成功したという。その結果、コンテンツが広告費の削減にどれだけ間接的に貢献しているか明らかにすることができたという。
また、ある自動車メーカーでは、CDPとTRENDEMONを連携することによって、オンラインだけではなく実店舗での成約データまでを含んだカスタマージャーニーの可視化に成功した。「どのような職業や年収の人が、どういったコンテンツを見て車を買ったのかが可視化できるようになりました」と嶋添氏は説明する。
さらにTRENDEMONは、パーソナライゼーションの機能も持ち合わせている。デジタル上でランディングしてから店舗まで行く割合や日数をもとに、「顧客にベストなコンテンツをベストなタイミングで提供することができます」と嶋添氏は説明する。
パーソナライゼーションの機能だけでも、従来と比較して約165%以上の新規のリード獲得や、最大で数万PV以上の離脱防止、エンゲージメント獲得、さらにはCVRも最大で130%以上アップリフトを実現するなど、大きなインパクトを得られているという。
このほか、エンゲージメントの高いユーザーがメディアにどれだけ来訪しているのかを可視化することも可能だ。<過去30日間に2回以上来訪し、かつ3PV以上を読了している>ユーザーを“高頻度接触ユーザー”として定義。「一般来訪者と比較すると、コンバージョンレートに3倍以上の開きがあります」と嶋添氏は明かす。
これまでオウンドメディアのKPIはPVやトラフィック量で評価されがちだったが、TRENDEMONによって新たな評価指標を活用できるようになる。また、このユーザーたちの流入元媒体を分析することで、「質の高いユーザーを送客しているのか評価することもできます」と、効果的な広告戦略策定にも寄与することを示した。