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匿名ユーザーのままでもナーチャリングを可能にするMA。その活用ポイントとは?|SATORI株式会社

LIGHTNING TALK|SATORI株式会社 マーケティング営業部 マーケティンググループ グループ長 相原 美智子氏

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Webサイトを訪問するユーザーの大半は匿名ユーザーです。そうした中では「匿名ナーチャリング」の重要度はますます高まっています。SATORI株式会社(以下、SATORI)では、ユーザーが匿名のままでもWebでの行動をトラッキングし、ナーチャリングすることを得意としたマーケティングオートメーションツール「SATORI」を提供しています。「PLAZMA 2019 JAPAN IT Week 春」に登壇した同社のマーケティング営業部 マーケティンググループ グループ長の相原美智子氏が、匿名ナーチャリングの重要性とその方法を解説しています。

なぜ匿名ナーチャリングが重要であるのか

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Webサイトを訪問するユーザーの大半は匿名ユーザーです。そうした中では「匿名ナーチャリング」の重要度はますます高まっています。SATORI株式会社(以下、SATORI)では、ユーザーが匿名のままでもWebでの行動をトラッキングし、ナーチャリングすることを得意としたマーケティングオートメーションツール「SATORI」を提供しています。「PLAZMA 2019 JAPAN IT Week 春」に登壇した同社のマーケティング営業部 マーケティンググループ グループ長の相原美智子氏が、匿名ナーチャリングの重要性とその方法を解説しています。

なぜ匿名ナーチャリングが重要であるのか

2015年に創業したSATORIは、自社開発のマーケティングオートメーション(MA)ツール「SATORI」を駆使し、企業のマーケティングを支援している。従業員数は50人弱(2019年5月現在)という比較的小規模な企業だが、「SATORI」の導入実績はすでに450社にのぼる。

「SATORI」の特徴について、相原氏は、「匿名の状態でもWebサイトのトラッキングが最大180日間可能なこと」を挙げる。

「ブラウザ上のCookie情報を利用してユーザーの行動をトラッキングし、ユーザーが匿名のまま実名顧客の手前まで十分な情報を集めます。顧客データの分析でその中から極めて受注の可能性の高い人を抽出することが『SATORI』の機能の活用で可能になります。こうして匿名のユーザーでもうまくナーチャリング(育成)できるのが『SATORI』の強みです」と相原氏は説明する。

なぜ匿名の状態でナーチャリングすることが重要なのか。相原氏は、過去にガートナーが発表した数字から、

「いまや顧客と商談に至らないまま非対面で販売するケースが85%に上っています」

と話す。それは、販売元に直接接触しなくても、顧客がメールやWebで自主的に情報を取得することが可能なためだ。

また、「SATORI」の自社調査によれば、Webサイトに訪問してきたユーザーで実名を把握できているケースはほんの3~4%だったという。つまり、大半が匿名のまま離脱している状況だ。そのため、「匿名の状態でもユーザーを育成することが重要です」と相原氏は強調する。

匿名×購買意欲をかけ合わせてペルソナを作るべき

「SATORI」が自社サイトに訪れるユーザーを自ら分析した数字がある。同社では、「実名ユーザー」「匿名ユーザー」という属性と、「購買意欲の高いユーザー」「購買意欲の低いユーザー」という属性に分け、この2つの属性を組み合わせて「A:購買意欲が高い実名ユーザー」「B:購買意欲が高い匿名ユーザー」「C:購買意欲が低い実名ユーザー」「D:購買意欲が低い匿名ユーザー」の4つにグループ分けした。その結果を割合でしめすと、Aの購買意欲が高い実名ユーザーを1とした場合、Bのグループに入るユーザーは35、Cは70、Dは380の比率であることがわかったという。

今すぐ×実名のお客様はものすごく少ない!

Cのユーザーは、コンタクト先が把握できているためメール配信などでアプローチすることも可能だが、購買意欲が低いため、ナーチャリングしてもすぐには購買に結びつかない可能性が高い。ここであらためて重要になるのが、Bの購買意欲が高い匿名ユーザーだ。今すぐ購入しそうなほど時間をかけてサイトを見ていたり、特定のコンテンツを集中して見ていたりするユーザーは、できれば逃したくないものである。

こうしてA~Dのグループに分けたユーザーに対し、相原氏はそれぞれに具体的なユーザーの状況イメージを作るようアドバイスしている。例えば「SATORI」の場合、Aのユーザーは「予算があり、不明点がクリアになり商談が進めばほぼ受注できる」で、Bのユーザーは「上司からMAツールを導入したいと言われ、どれがいいのかWebで探している」といった具合だ。SATORIでは、こうして分類したユーザーのイメージを作り、それぞれのユーザーに対してカスタマージャーニーをあてはめて施策を行っているという。

匿名ユーザーへどうアプローチすればよいのか

匿名ユーザーは、広告でセミナーなどの宣伝はできても、直接メールや電話でコンタクトすることはできない。ただし、

「Webサイトで接点のある匿名ユーザーに対しては、リターゲティング広告やポップアップ、プッシュ通知、レコメンドによる誘導など、さまざまなソリューションを使い、匿名の状態で育成することも十分可能です」と相原氏は強調する。
マーケティングオートメーションでできるコミュニケーション

そのためには、「特定の情報をもらえるのであれば、自分の個人情報を明かしてもいいと思わせるようなコンテンツやセミナー、サービスを用意する必要があります」と相原氏。それも、単に用意するだけでなく、ユーザーの購買意向に合わせて段階ごとに提供していくことが重要だという。

「例えば、Dの購買意欲が低い匿名ユーザーに対しては、まずその業界や同じ属性にいる人が求めている情報を大量に提供してみます。質の良い情報を提供することが大変であれば、こつこつと定期的に情報を公開し、そこに来る人のトラッキングデータを裏側で見て、温まってきた状況を判定します。その段階で、あまり出さないような特別な情報をポップアップで出すといった具合に、ナーチャリングを進めるのです」と、相原氏はその手法を明かす。

MAの導入前には「課題を整理すること」が必要

相原氏は、MAツールと相性のいいビジネスについて、「BtoBと呼ばれる企業向けに商品やサービスを作っている業態」が最も合っていると話す。例えば、展示会などで多くの接点を作り、顧客情報を仕入れてMAに情報を入れる。そこからナーチャリングを進め、インサイドセールスで商談につなげるといった具合だ。これ自体は匿名でなくても可能な方法だが、こうした施策を行う企業はWebサイトを利用したプロモーションも重要視しているはず。「MAとの相性は抜群です」と相原氏は言う。

また、BtoCであっても、高額商材や特殊なサービスを提供している場合はMAとの相性がいいという。

MAツールを導入したからといって、すべて自動で分析が行われてシナリオが稼働し、魔法のようにマーケティングがうまくいくとは限らない。相原氏は、MAの導入を検討する際には「まず自社の課題を整理してください」とアドバイスしている。

「課題が散漫だと、導入より前に名刺を獲得する必要があった、といったことが見えてきます。なぜMAツールを導入したいのか整理した上で、ツールを比較検討してください」と相原氏は言う。

SATORIでは、自社サイト内で代表的なMAツールの比較表を公開している。機能の違いなどがわかるようになっているというが、

「先に比較から入ってしまうと、スペックと値段で選んでしまう可能性があるため、まずはユーザーのペルソナとカスタマージャーニーを作り、どんなことを行いたいか明確にした上で比較するといいと思います」と相原氏は述べている。

自社のマーケティングにとって何が一番必要なのか。それをしっかりと把握してからMAツールの検討に入るのが、MA成功のポイントだろう。

トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。組織内に散在しているあらゆるデータを収集・統合・分析できるデータ基盤「Treasure Data CDP」を提供しています。デジタルマーケティングやDX(デジタルトランスフォーメション)の根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングカンパニーに導入いただいています。
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