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2021年ヒット消費番付から考える、顧客理解を深めるデータ活用

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三井住友カード株式会社(以下、三井住友カード)は、同社が保有するキャッシュレスデータをもとに、2019年から21年における消費の伸び率から作成した独自のヒット消費番付「キャッシュレスデータで見る、2021年ヒット消費番付」を発表しました。業界最大級のキャッシュレスデータからは、さまざまな消費行動のトレンドが見えてきます。

番付の内容を基に、「コロナ前から現在」、「リアル店舗とオンライン」、「都市部と地方部」とさまざまな切り口で消費トレンドを分析しながら、顧客理解とカスタマーサクセスにつながるデータ活用について考えます。解説は三井住友カード データ戦略部グループ長の細谷友樹氏と、ヒット消費番付の作成に協力した株式会社顧客時間の共同CEOである奥谷孝司氏です。

※本記事は、トレジャーデータ株式会社が主催した「PLAZMA 21」(2021年12月開催)をもとに編集しました)

細谷 友樹

細谷 友樹 氏

三井住友カード株式会社

データ戦略部 グループ長 兼 シニアデータビジネスプランナー

2006年三井住友カード入社。法人営業やファイナンス事業等に携わり、2012年より自社SNS、アプリ、インバウンド向けメディア、自治体向けデータ分析サービス等デジタルマーケティング、データ活用領域の企画に従事。2020年よりデータ戦略部にてデータ分析支援サービス”Custella”を指揮。

奥谷 孝司

奥谷 孝司 氏

株式会社顧客時間

共同CEO 取締役

オイシックス・ラ・大地株式会社 専門役員 / Lazuli株式会社 顧問。 1997年良品計画入社。店舗勤務や取引先商社への出向(ドイツ勤務)、World MUJI企画、企画デザイン室などを経て、2005年衣料雑貨のカテゴリーマネージャーとして「足なり直角靴下」を開発して定番ヒット商品に育てる。2010年WEB事業部長に就き、「MUJI passport」をプロデュース。 2015年10月にオイシックス・ラ・大地に入社し、専門役員/COCO(チーフ・オムニ・チャネル・オフィサー)に就く。 2017年にEngagement Commerce Labを設立。 2020年からLazuli株式会社顧問。 2010年3月早稲田大学大学院商学研究科修士課程修了(MBA)。2021年3月一橋大学大学院経営管理研究科博士後期課程単位取得満期退学。 著書に『世界最先端のマーケティング 顧客とつながる企業のチャネルシフト戦略』(共著、日経BP社)がある。日本マーケティング学会理事。​

<目次>

三井住友カードのデータをマーケティングに活用できるデータ分析支援サービス「Custella」

奥谷:三井住友カードさんが提供するデータ分析支援サービス「Custella(カステラ)」のキャッシュレスデータから2021年を振り返りながら、カスタマーサクセスを考えるきっかけを作ります。

早速ですが、データ分析支援サービス「Custella」について細谷さんからご紹介をお願いします。

細谷:我々三井住友カードが保有するキャッシュレスデータや購買データを活用したサービスです。従来のマーケティング活動では自社保有データを分析して施策を検討されていたかと思いますが、「Custella」ではグループの4000万人の会員様の属性や幅広い加盟店様の業種のデータを活用することができます。今まで見えてこなかった潜在顧客の購買行動や市場の動向を見ることで、課題や仮説、打ち手の検討に活用いただくことを目的として2019年に始めました。

Custellaとは

今日使用する「Custella Trend(カステラトレンド)」は、直近の9月に新しくローンチした無料レポートサービスです。「トレンド」と書いている通り、消費のトレンドや傾向等、マクロのデータを毎月1回レポートとしてオンラインで提供しています。

メールアドレスを登録いただければ、毎月更新のタイミングでメールが配信されます。

Custella Trendとは

奥谷:では今回はこの「Custella Trend」のデータとさらに深掘った視点から、今年どのような消費者の購買行動があったのかを解説していただきます。

コロナ前から現在へかけて、消費行動はどう変化した?

奥谷:まずはキャッシュレス消費トレンドと題して、コロナ前と現在で消費行動にどのような変化があったのかをご説明いただきたいと思います。

決済金額・件数の推移

細谷:上図は我々のクレジットの月ごとの決済金額と件数を、2019年の平均を100として指数化したものです。赤い背景のところが緊急事態宣言の時期になります。やはり最初の緊急事態宣言の時は金額、件数共にすごく落ち込みました。

直近では10月の決済件数と金額が伸びてきており、2019年を大きく超えています。特に金額の伸びが大きくなっていますので、決済の単価が上がっている状況が見えてきます。

奥谷:1回目の緊急事態宣言のインパクトがどれだけ強かったか分かりますね。そして、世の中がキャッシュレスに移行しつつあると感じます。

消費欲求区分と業種一覧

細谷:カード利用店舗の業種が多いので、「Custella」では分かりやすく上記7種の消費欲求区分で集計・分析をしています。

奥谷:次の図は2019年から直近までの、欲求区分ごとの指数ですね。

消費欲求区分ごとの決済金額の推移

細谷:先ほどの決済金額と件数の折れ線グラフを、欲求区分ごとに色分けして積み上げたものです。一番上の緑の割合が2020年の4月から増えてきています。これは「オンライン」の消費の割合が増えているということになります。

先ほど直近10月の金額と件数が伸びていると申し上げましたが、青い部分の「旅・移動」と一番下の鮮やかな緑の部分「衣類」が10月に伸びています。単価が上がっているとも申し上げましたが、旅行や百貨店の利用が戻ってきて、結果的に単価が上がってきているのだと推測できます。

奥谷:「旅・移動」は単価が大きいので、その分折れ線グラフの上がり方が大きいのですね。クレジットカードは日本のECに欠かせない決済方法でもあります。その利用件数と金額がコロナ禍を経てもなお伸びているのは注目すべきですし、このデータにお客様のニーズが隠れていそうな感じがします。

細谷:次のスライドは、先ほどのグラフを100%に積み上げに変えて年代別にしたものです。

決済金額の消費欲求区分シェアの変化(年代別)

2020年の同期と比べると、2021年はオンラインの比率が全体的に少し下がっています。これは旅行や食が伸びたことによるものでしょう。一方で70代ではオンラインが着々と伸びており、年代によって少し傾向に違いが見えます。

奥谷:まだまだ「旅・移動」には少し慎重ですけども、一方で家やレストランでの「食」は楽しみとして増えてきているのかなと感じますね。

カード決済データから見る、2021年のヒット消費番付

奥谷:いよいよ2021年10月末時点での最新ヒット消費番付の発表です。リアルとオンライン、二つの軸で分析をしているのが面白い視点ですね。

細谷:顧客時間と三井住友カードに加えて同志社大学の高橋教授にもご協力をいただき、2021年の消費の伸びを番付表として発表させていただきました。業種は先程の7区分とは違った独自のくくり方をしています。

2021年10月28日発表_三井住友カード_ニュースリリース
本調査レポートにおけるデータ定義・前提

奥谷:では早速番付を見ていきましょう。

キャッシュレスデータで見る、2021年ヒット消費番付

細谷:オンラインでもリアルでも、19年から21年で一番伸び率が高かったのが生鮮食品です。リアルでは、生鮮食品だけではなくコンビニ食品や飲食店テイクアウト、カフェ等、「食」に関わるものがランキングに入っています。もう一つ、アウトドア用品や車・バイク、自転車等のアウトドア系が多いのもリアルの消費の特徴として見えてきています。

一方でオンラインは、映画・動画やホビー、ゲームアプリ、こういったコンテンツ系の消費が非常に強いです。

奥谷:この辺りを見ていると、時代がどうであれ社会がどうであれ、消費者はやはり“楽しみ”にお金を使うんだなと感じます。生鮮食品が両方でトップに入るというのは食の業界にいる人間として非常にありがたく思う反面、他の選択肢が減ったから生鮮食品が伸びたという見方もできます。これからまた他の選択肢が増えてくるのを見越して、現状をただの棚ぼたにしないための取り組みが食業界にとって大切だと思います。

【横綱】リアル/オンライン共に「生鮮食品」

【横綱】リアル店舗:生鮮食品|オンライン:生鮮食品

細谷:こちらは横綱の生鮮食品を性別・年代・居住地で分けて深堀ったデータです。丸を付けている通り、リアルでは40~60代女性の伸び率が非常に高くなっています。一方オンラインでは20代が男性/女性共に伸びています。

また右下にも注目していただきたいのですが、オンラインは地方での伸び率がかなり高くなっています。

奥谷:本来であれば地方は良い食がリアルにあるのでオンラインで買うことはないのでしょうが、やはり動けなくなったということで伸びているのでしょう。コロナ禍が2年目に入り、食材宅配の購買や入会意思決定に男性が関与してきているのも見えてきました。ここからどのようになっていくのか注目したいですね。

細谷:食であったり、アウトドア趣味であったり、新たに趣味を始めるという動きも出ているのではないかなと思います。

奥谷:確かに食を作ることが作業ではなく趣味だという人もいますね。リモートワークで家にいるので20代男性も食に参加しやすいし、そのための食材をオンラインで買っている可能性は非常に高いですね。

【大関】リアル:「ペット関連」、オンライン:「映画・動画」

【大関】リアル店舗:ペット関連|オンライン:映画・動画

細谷:次は大関です。リアル店舗はペット関連、オンラインは映画・動画ですね。ペット関連は40代50代の男性が伸びています。地方でペットの伸びが大きいのは、住宅形態との関連が大きいのではないかと思います。

オンラインの映画は50代以上の女性の伸びが大きく、家でオンライン映画を見るのが定着し始めているのではないかと思います。

【関脇】リアル:「コンビニ食品」、オンライン:「ホビー・娯楽品」

【関脇】リアル店舗:コンビニ食品|オンライン:ホビー・娯楽品

奥谷:続いて関脇は、リアル店舗がコンビニ食品、オンラインがホビー・娯楽です。これも面白いですね。

細谷:コンビニ食品は特に60代、70代の伸びが非常に目立ちます。一方でゲームを含むホビー・娯楽品は20代、30代男性の伸びが非常に大きいですね。

奥谷:自分の親を見ていても、近場のコンビニで色々なものを買う比率がかなり増えています。コンビニのビジネスは都心が苦戦して郊外が伸びているそうですが、よく利用するコンビニの場所がオフィス周辺から自宅の近くに変わったということですよね。リモートワークで家にいるビジネスマンが休憩中にコンビニに行くこともあると思うので。

カフェには行くが飲食店には行かない60代以上

【ピックアップ解説】リアル店舗:カフェ・喫茶店、飲食店(店内飲食)

奥谷:前頭の中からカフェ・喫茶店と飲食店をピックアップしました。伸びてなさそうなのに伸びている年齢があるのが面白いですね。

細谷:もしかしたら先程のコンビニ食品と近しい傾向なのかもしれませんが、カフェ・喫茶はリアル店舗で60代以上の伸びが非常に大きくなっています。一方飲食店は60代以上でマイナスになっているので、この年代は「カフェには行くけど飲食店には行かない」というのがこのデータから見えてきます。

奥谷:ワクチン接種を早期に済ませた60代70代が、旅行等の大胆な行動ができない代わりにカフェに集まっているのではないでしょうか。そこにキャッシュレスが上手く効いているのかなと感じますね。これはコンタクトレスショッピング等にもつながる面白い行動だと思います。

細谷:おっしゃる通りでして、これはカード決済のデータなので、キャッシュレス決済の伸びがそのまま消費の伸びに反映されているという側面もあります。60代以上はコロナを契機にキャッシュレスを使い始めた方が多いので、伸び率も大きくなるというところもあるのかなと思います。

奥谷:そういう意味では多くの店舗・業界でキャッシュレスがもっともっと進むといいですよね。

細谷:飲食店については、おそらく60代以上の方は家族や孫とレストランで食べる機会が減ってしまい、1人の時間をカフェで過ごしているケースもあるのではないでしょうか。

奥谷:なるほど。カフェや飲食店を経営する現場の方は既によく分かっているのかもしれませんが、我々もマクロ的に理解しておくのは非常に大事なことだと思います。

地域による消費傾向の違い

【都道府県別の傾向】関東と関西での消費傾向の違い

奥谷:関東と関西で消費傾向が違うと。これも新しい視点ですね。

細谷:都道府県別にリアル消費が大きいのか、オンラインの消費が大きいのかを指数化しました。中央100:100のところが全国平均で、平均よりも右に行けば行くほどオンラインの消費が多く、左はその逆です。リアルの消費傾向は上下軸で表します。緑色で示した関西はオンライン消費が全国平均に比べて低いことが分かります。

奥谷:高橋先生のコメントも面白いですが、やはり差し迫ったオンラインの利用ニーズは関東にあるのかなと感じますね。

【都道府県別の傾向】関東と関西での消費傾向の違い_2

細谷:先程のグラフはシェアでしたが、こちらは伸び率を示しました。まさにコロナ禍でどう変化したかを都道府県別に見ています。真ん中が全国平均で、先程と同様に左右軸がオンライン、上下軸がリアルの消費金額の増減を表しています。

奥谷:このデータを読み解くために用意してもらったのが、次のコメント入りの図です。

【都道府県別の傾向】関東と関西での消費傾向の違い_3

細谷:いくつかのグループに分けて分析しています。リアルとオンライン両方とも伸びが低い左下の宮崎、鳥取、長崎、ここは元々ネットで飛行機のチケットを買って旅行に行くというウェイトが非常に大きく、それがなくなった影響が出ています。奈良県はリアルの百貨店への依存度が高いため、外出や移動の制限でリアル消費が下がっていると見られます。

一方で右上の群馬、岩手、青森は元々ネットの飛行機利用がそれほど大きくなく、車関連の利用が多かったので影響は小さかったと思います。右側中央の岐阜や三重も近しい傾向です。車は密を回避して移動できるので、飛行機に比べて利用控えが少ないというのもあるかもしれません。

左上の北海道や沖縄は観光地なので飛行機の影響は当然ありましたが、一方で近場のアウトドアでの消費やコンビニでの日常的な消費はプラスになっています。

奥谷:やはり地理的経済特性というのはあるんですね。こうして可視化してみると非常に面白い視点だと感じました。

補足(飛行機(国内便)の利用率(※)都道府県別ランキング)

細谷:少し古いのですが、こちらは2017年の全国新聞総合調査による飛行機国内便の利用率ランキングです。先程飛行機のマイナス影響が強いと分析した地域は、このような外部のファクトでも上位に上がっています。

世代別の消費傾向・若者の場合

【世代別の傾向】若者は何を買っているのか?

細谷:こちらは20代以下に限定した番付です。全体と違う傾向としては、リアルでは関脇に駐車場が入っており、前頭にカフェや車・バイクが出てきています。一方でオンラインの伸び率が非常に高いのも特徴です。特に横綱の生鮮食品の伸び率は、全世代での+160%に対して20代以下では+337%とかなり驚異的で面白いデータになっています。

奥谷:今までこういったものをネットで買わなかった世代が買うようになったので伸び率が大きいのでしょうが、生鮮食品もネットで買うのが当たり前になってくるとスーパーマーケットへの脅威にもなるでしょうね。

また、リアル消費で面白いと思うのは駐車場や車・バイクです。自動車教習所の方とお話をすると、今は予約が全然取れないらしいんです。趣味もあると思いますが、新しい安全な動き方をするために車やバイクの免許を取って移動する。その結果駐車場での決済も増えるということで、もしかすると若い人にとっての新たな交通手段として車が戻ってくるかもしれませんね。

世代別の消費傾向・シニア世代の場合

【世代別の傾向】シニアは何を買っているのか?

細谷:こちらが70代以上の番付です。リアル店舗ではコンビニ食品と先程も出たカフェ・喫茶店が非常に伸びており、オンラインではファンクラブ・グッズが驚異的な伸びをしています。

奥谷:ご自身が好きでお金を使っている部分もあると思うんですけど、もしかするとお孫さんと一緒にファンで、そういったことにお金を使っているということも考えられるのではないでしょうか。ファンクラブ・グッズというと若い人と思いがちですが、実はここにファンがいると。

世の中の変化と、カスタマーサクセスに求められるもの

奥谷:ではここからまとめに入っていきます。

世の中の変化

細谷:これは2019年と2020年の流行語大賞です。2019年と比べると、2020年はやはりコロナに関連したワードが多く挙がっています。一方で「3密」や「アベノマスク」という1年前のキーワードがかなり昔に感じることもあり、消費者の変化は非常に早いと感じています。

また、消費者が目まぐるしく変化する一方、企業側はどういう対応をしているのか。直近の中期経営計画等から要素をピックアップさせていただきました。

世の中の変化_2

奥谷:なるほど。皆さん少しずつ「顧客を知らねば」という方向になってきているんですかね。そのための整備をデジタルでせねば、という感じですね。

細谷:多くの企業を見る中で、やはり共通のキーワードがいくつか見受けられました。下図左側が共通キーワード、右側がそのまとめです。

世の中の変化_3_キーワード&求められること

どの企業も自社顧客の正確なデータをもとにリアルとオンラインの双方における行動の変化を捉え、デジタルを活用したアプローチで顧客体験や付加価値を最大化する、まさに「データを駆使したカスタマーサクセス」を目指しているのかなと感じています。

奥谷:赤字の部分を縦に読んでいくとポイントが出ていますね。「データをもとに変化を捉える」と。これに対してどうしていくかということが重要だということですね。

最後に、(今回のイベント)PLAZMA21のメインテーマである「カスタマーサクセス」のためのデータ活用はどうすべきかをお話しいただきたいと思います。

変化のまとめ

細谷:まず「変化」を3つに分類しました。情報伝達はマスからスマホに変化し、個別にカスタマイズされた情報が提供されるようになりました。商品供給も大量生産から多品種少量生産に変化し、情報が増えることでエンドユーザーの価値観も多様化しています。

データを見ることでこのような変化を知り、仮説を立てることが大事なのではないかと。つまり、仮説思考のためにデータが必要なのではないかと考えています。

とあるフィットネスの企業を例に取ると、今までROIが良い20代30代に注力していたところ、実は解約が多いというデータが見えてきたそうです。結局LTVが高いのは、そのエリアに定着している40代50代だったんですね。となるとカスタマーサクセスのプロセスとして次にやるべきことは潜在顧客になりうる40代50代の分析ですが、自社内にはデータがないと。そこで我々の「Custella」にお声掛けをいただいたりもします。

奥谷:どうしても1社ではわからないことはたくさんあるので、データを多面的に見て顧客のニーズを捉えるのが非常に大事ですよね。それをやり続けることがカスタマーサクセスにつながりそうだという気がします。

細谷現時点でロイヤルティが高い顧客だけ見ていると、偏りやバイアスが出てしまいます。離脱していった方はどうだったのか、逆に自社の顧客ではない方はどういう行動をしているのか、このような観点が非常に重要になるのではないでしょうか。そこを可視化できるのが、我々のデータの強みでもあります。

奥谷:オイシックスではよくビジネスを「空・雨・傘」に例えます。雨が降ったら傘をさせばよい、というのはもちろんそうなのですが、やはり空を見上げることで「長雨になるのか」「すぐ止むのか」という分析もしなくてはなりません。大きく俯瞰したところから顧客を見て分析し、適切な打ち手を打つのが大事だと思いますね。

データ分析支援サービス「Custella」について

奥谷:最後に改めて、ここまで見てきたようなデータが分かる「Custella」のご案内をしていただいて終わりたいと思います。

細谷:我々は利用者と事業者双方にとって利用しやすい環境を作り、お客様起点でキャッシュレスを広げていこうとしています。取り組みの一例として、利用者向けにはナンバーレスやカードレスサービスの提供、事業者様向けにはさまざまな決済方法をオールインワンで受け付けられる決済プラットフォームを提供しています。

データ分析支援サービス「Custella」について
データ分析支援サービス「Custella」について_2

奥谷:最近よくCMで見ます。

細谷:そうですね。CMもかなり力を入れています。

データ分析支援サービス「Custella」について_3

これらのサービスから上がってくるデータを事業者の皆様に還元していくのが「Custella」というデータ分析支援サービスです。今回ご紹介した「Custella Trend」の他に、売り上げや顧客データから自社の現状を把握する「Custella Insight(カステラインサイト)」、データから見えてきた課題・仮説、そこからの打ち手をサポートする「Custella Analytics(カステラアナリティクス)」、実際の打ち手を三井住友カード会員様に対して実施する「Custella Promotion(カステラプロモーション)」というサービスラインナップになっています。

奥谷:まさにPDCAが動くようにできているということですね。Custella Trendに関しては無料で見ていただけるということなので、登録していただけるとよいのではないでしょうか。

データ分析支援サービス「Custella」について_4_今後の展開

細谷:三井住友カードが保有するデータと、必要に応じてそれ以外のデータも活用して顧客理解を進めるのが「Custella」というサービス群です。我々の顧客だけではなくパートナー企業の皆様の顧客理解もサポートし、一緒にデータを見てカスタマーサクセスをお手伝いさせていただけないかと考えています。

奥谷:自社のデータと外のデータを掛け合わせることで、顧客が望むことが見えてきます。今後もこのCustellaを使って細谷さんと一緒に新しい消費者行動の深堀りをしていきたいと思いますので、引き続きどうぞよろしくお願いいたします。

細谷:こちらこそよろしくお願いいたします。


世の中の最新消費トレンドを毎月お届けするレポートサービス「Custella Trend」は無料でお申し込み可能です。

▼詳細はこちらから
https://www.smbc-card.com/camp/custella/index.html

Custella Trendの利用開始までの流れ

トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。組織内に散在しているあらゆるデータを収集・統合・分析できるデータ基盤「Treasure Data CDP」を提供しています。デジタルマーケティングやDX(デジタルトランスフォーメション)の根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングカンパニーに導入いただいています。
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