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ユーザー、メディア、スポンサーすべてを「ハッピー」に。Gunosyが考えるデータ活用構想とは?

CASE STUDY|株式会社Gunosy 執行役員 広告事業本部 プレミアム広告推進部 部長 近藤 洋司氏

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メディアが日々発信する情報の中から、読者の興味関心に沿った情報を推薦するキュレーションサービスを提供する株式会社Gunosy(以下、Gunosy)では、これまでユーザーとの接点がスマートフォンアプリだけに限られており、提供できる価値にも限界がありました。そこで、さまざまなデバイスからもデータを集め、パートナー企業との連携を深化させることで新しい価値を創るために「Treasure Data CDP(以下、CDP)」へのデータ蓄積を始めています。「PLAZMA 2019 JAPAN IT Week 春」では、同社執行役員で広告事業本部 プレミアム広告推進部 部長の近藤洋司氏が、ユーザーはもちろん、広告主や提供元メディアすべてに「ハッピー」な仕組みを作る取り組みを紹介しました。

ユーザーごとの「スキマ時間」に最適なコンテンツを届ける

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メディアが日々発信する情報の中から、読者の興味関心に沿った情報を推薦するキュレーションサービスを提供する株式会社Gunosy(以下、Gunosy)では、これまでユーザーとの接点がスマートフォンアプリだけに限られており、提供できる価値にも限界がありました。そこで、さまざまなデバイスからもデータを集め、パートナー企業との連携を深化させることで新しい価値を創るために「Treasure Data CDP(以下、CDP)」へのデータ蓄積を始めています。「PLAZMA 2019 JAPAN IT Week 春」では、同社執行役員で広告事業本部 プレミアム広告推進部 部長の近藤洋司氏が、ユーザーはもちろん、広告主や提供元メディアすべてに「ハッピー」な仕組みを作る取り組みを紹介しました。

ユーザーごとの「スキマ時間」に最適なコンテンツを届ける

Gunosyの収益は、主にキュレーションメディアに表示する広告収入から得られるものだ。ニュースなどのキュレーションサービスを提供する「グノシー」をはじめ、大きく5つのメディアを運営する同社のアプリは、国内累計で4000万インストールを突破しており、業績も順調に伸び続けている。

どのサービスも、他のメディアと同じニュースを扱いながらも、何をリコメンドするかについては独自のアルゴリズムを使うことで、ユーザーの興味にあわせてパーソナライズしているのが特徴だ。しかし、Gunosyが手がけるサービスでも、アプリによってユーザーや配信内容は異なる。累計2700万インストールの「グノシー」は、テレビCMを起点にユーザーを獲得してきた。ユーザーは10代から50代までと幅広いが、30代までの若い世代が中心となっている。配信内容は芸能やエンタメに関するニュースが中心だ。「ニュースパス」はKDDIとの協業により、auキャリアのAndroidスマートフォンにプリインストールすることで累計800万ユーザーを獲得している。ユーザーの7割強が40代50代であり、スポーツやストレートニュースを多く扱い、ビジネス関連の記事閲覧率が高いのがメディアの特色となっている。

このように、「グノシー」と「ニュースパス」では、ユーザー層があまり重複しない。それぞれに適したヘッダービデオ、ネイティブアドなど広告メニューとして配信するほか、「グノシー」では 20分程度のユーザー参加型のクイズライブ動画番組を毎日配信するなど、多彩なメディア事業を手がけており、それぞれのキュレーション内容にマッチした企業スポンサーを獲得している。

Gunosyが展開するメディアは、すき間時間に閲覧される傾向にあるという。近藤氏は「広告はユーザーから寛容に受け入れられていると思います。Gunosyは、日々のすき間時間を埋め、ユーザーの知りたいことが素直に反映されるコンテンツと広告体験を提供します」と、同社の価値を説明する。

Gunosyはスマホメディア企業ではなく、適切な場所で最適なコンテンツを届けるというビジョンを掲げている。近藤氏は、「これまでは、PCやスマートフォンを利用してユーザーが情報を取りに行く環境でした。これからは、DMPやブロックチェーンの技術を使って、ユーザーが能動的に取りにいかなくても情報に触れられる機会を提供していきたい」と話す。

スマートフォンに限られた情報からユーザーのあらゆる情報へ分析を拡大

現状のGunosyはユーザーからどのような情報を得て、サービスに反映させているのだろうか。利用しているアプリの違いだけでも、エンタメ好きなのか、ストレートニュース好きなのかといったユーザーのタイプがわかる。そして、どんなユーザーがどんな記事に興味があるかログが残されている。正式な数字は非公開ながら、現在Gunosyでは1000万規模の月間アクティブユーザーから集められた膨大なデータを保有している。また、配信する記事データについても、約800メディアのデータを毎日蓄積し続けており、そのボリュームは1日に約1万記事にも及ぶ。

ただし、現在のデータ取得方法はスマートフォンの中だけにとどまっている。利用開始時に登録した性別や年齢、地域情報を基礎情報として記事などのコンテンツを推薦しているに過ぎない。

そこで今後は、スマートフォンだけでなく、そこからの情報にスマートウォッチ、自動車、ショッピングカート、その他IoT機器など、さまざまなデバイスのデータを肉付けしていく構想だ。決済、信用・与信、所有在庫、予定などが従来のデータに加えて利用できるわけだ。こうしたデータを、パートナー企業とうまく連携しながら活用するべく、取り組みを進めているところだという。

「広告事業で、どう収益を上げるかが一番のミッションです。コンテンツや記事閲覧はもちろん、広告接触やユーザーのさまざまな情報を蓄積し、独自技術による分類・分析を行ったうえでプライバシーに十分配慮しながら活用していきます」(近藤氏)

パートナーとのデータ連携によって価値を提供

このように広告の進化を志向するGunosyでは、Treasure Data CDPをどのように活用しているのだろうか。現状では、アクティブユーザーがどのような記事を見ているのか、どのような広告に触れているのかというデータを日々蓄積している。近藤氏は今後について、「こうしたデータは広告主だけではなく、パートナーであるおよそ800ものメディアにも戻していこうと描いている」と構想を披露した。

近藤氏は、具体的にどのようなデータを蓄積しているのか説明する。例えば15秒の動画広告であれば、どのユーザーが何秒ぐらい動画を見たのか、そのとき音声は再生していたのかといった細かなログを蓄積する。記事広告であれば、どこまでスクロールしたのかを保持することで、どれだけユーザーが記事に興味を持ってくれたかがわかる。これは同社にとって重要なアセットだ。

また、ユーザーの興味を分析するうえで新しい考え方も示す。「グノシー」では、「おやつ」といった特定テーマに関連した情報を集めた「タブ」単位での企業スポンサードも行っており、タブ内のアクティビティをまるごとスポンサー企業に提供していくという。ここには競合も含めてスポンサー以外の情報も含まれており、キュレーションサービスとしてユーザーのためになる情報を提供する。ここでの情報を提供することで、どのような記事が読まれているのか、どのように自社の広告に触れているのかを知ることができるのだ。

「単純なクリックの有無は、いちデータでしかありません。他にどんな記事に興味を持っているのかまで合わせたデータをご提供できればと考えています」と近藤氏は説明する。

そんなGunosyがTreasure Data CDPを採用した理由は、まず4000万インストールにもおよぶ大量のユーザーから得られる莫大なボリュームのデータを扱える点だ。さらに、Gunosyのサービスでは、文字や画像だけではなくライブ配信も含めた動画を多数扱うが、そうしたログを蓄積できる点も挙げる。また、現在のところ得られるデータはスマートフォンアプリに限定されているが、今後はオンラインだけでなくオフラインも横断してデータを蓄積していくことになることも見据えている。

さらに近藤氏は「得られたデータをそのまま渡すのではなく、独自技術によるユーザー分類や分析がGunosyのコアテクノロジーです。要望に合わせてデータをご提供し、かつ広告主様と媒体主様どちらにも対応できる共通データ基盤が必須だったのです」と話す。

「パートナーであるメディアがなければ、広告事業で収益を上げる事業が継続できません。今後はデータを他社と連携して、結果としてユーザーがハッピーになるような仕組みを作りあげながら、パートナー様とWin-Winになるような仕掛けをしていきたいです」と、今後への意欲を示した。

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トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。組織内に散在しているあらゆるデータを収集・統合・分析できるデータ基盤「Treasure Data CDP」を提供しています。デジタルマーケティングやDX(デジタルトランスフォーメション)の根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングカンパニーに導入いただいています。
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