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エンゲージメントを軸に広告主と親和性の高いユーザーを探し出す — メディアプラットフォーム『FUNQ』が追及する“PV以上の価値”|ピークス株式会社

CASE STUDY|ピークス株式会社
執行役員 デジタルビジネス管掌 原 大智 氏

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広告主がメディアでの広告展開に求めるものは何でしょうか。「広告」と聞くとどうしても広告インプレッションや誘導数といったスケールメリットを求めることが多くなりがちですが、実は興味関心の度合いがわからない10万人を集客するよりも、エンゲージメントの高いユーザーを1万人集客したほうが、広告主にとってはメリットがありそうです。ピークス株式会社 執行役員 デジタルビジネス管掌の原 大智 氏が行った講演『広告主にPV以上の価値を。』では、PVに依存することなくメディアの価値をクライアントに提供するスキームが紹介されました。

熱烈な読者を抱える人気雑誌、デジタルでその熱量を再現する

ピークス株式会社の親会社は、趣味やライフスタイルに特化した雑誌を1973年から展開している枻(えい)出版社。スポーツバイクの楽しみ方を探求する大人のための二輪総合誌「RIDERS CLUB」、アメリカンカルチャーをベースにファッション、クルマ、趣味や遊びなど様々な情報を提供する「Lightning」など、エッジの利いた趣味に特化した雑誌を発行しているという。

原氏が在籍するピークスは1997年に創業。当初は雑誌のエディトリアルデザインを手掛けてきたが、現在はウェブ制作、ムービー制作、SNSでのコミュニティ運営、メディアプラットフォームの展開などインハウスでデジタル戦略を担当している。 このピークスが手掛けるメディアプラットフォームが『FUNQ』だ。FUNQは、枻出版社が手掛ける男性向け雑誌を束ねたポータルサイトで、ファッション、スポーツ、バイク、趣味、ライフスタイル、アウトドアなど雑誌の特色に連動したコンテンツを展開している。原氏は、枻出版社の雑誌の特徴とFUNQの狙いについて次のように説明する。

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広告主がメディアでの広告展開に求めるものは何でしょうか。「広告」と聞くとどうしても広告インプレッションや誘導数といったスケールメリットを求めることが多くなりがちですが、実は興味関心の度合いがわからない10万人を集客するよりも、エンゲージメントの高いユーザーを1万人集客したほうが、広告主にとってはメリットがありそうです。ピークス株式会社 執行役員 デジタルビジネス管掌の原 大智 氏が行った講演『広告主にPV以上の価値を。』では、PVに依存することなくメディアの価値をクライアントに提供するスキームが紹介されました。

熱烈な読者を抱える人気雑誌、デジタルでその熱量を再現する

ピークス株式会社の親会社は、趣味やライフスタイルに特化した雑誌を1973年から展開している枻(えい)出版社。スポーツバイクの楽しみ方を探求する大人のための二輪総合誌「RIDERS CLUB」、アメリカンカルチャーをベースにファッション、クルマ、趣味や遊びなど様々な情報を提供する「Lightning」など、エッジの利いた趣味に特化した雑誌を発行しているという。

原氏が在籍するピークスは1997年に創業。当初は雑誌のエディトリアルデザインを手掛けてきたが、現在はウェブ制作、ムービー制作、SNSでのコミュニティ運営、メディアプラットフォームの展開などインハウスでデジタル戦略を担当している。 このピークスが手掛けるメディアプラットフォームが『FUNQ』だ。FUNQは、枻出版社が手掛ける男性向け雑誌を束ねたポータルサイトで、ファッション、スポーツ、バイク、趣味、ライフスタイル、アウトドアなど雑誌の特色に連動したコンテンツを展開している。原氏は、枻出版社の雑誌の特徴とFUNQの狙いについて次のように説明する。

「それぞれの雑誌に濃いファン、読者との強いエンゲージメントがある。加えて、ファンは雑誌を複数購読しているという特徴がある。デジタルトランスフォーメーションを考えたときに、この世界観をデジタルで再現したい。趣味を愛する人の本棚を読者のスマホに作れないかと考えた」。

では、この「読者に愛されるメディア」という価値をどのように具体化するか。そこでピークスが考案したのが、読者とのエンゲージメントを可視化する「エンゲージメントスコア」という考え方だ。FUNQでは、立ち上げ当初からTreasure Data CDPを導入して読者の行動を解析。性別、年代、接触時間帯、興味関心キーワード、コンテンツの滞在時間やCTR、読了率や動画視聴完了率などを計測し、読者がコンテンツにどのような熱量で接触しているかを可視化するエンゲージメントスコアを割り出した。

「エンゲージメントスコアを解析することによって、読者により良いコンテンツを届けて、デジタル世界でもひとつの世界観で束ねられている読者層を形成したいと考えた」(原氏)。

調査→獲得という広告アプローチで高い効果を実現

このエンゲージメントスコアを広告施策に当てはめるとどうなるのか。そのひとつのアプローチが、「愛着をもってコンテンツを見た人を可視化して、その人たちがコンテンツをどう評価しているかを探る」というものだ。仮説に基づきターゲットメディアを選定するのではなく、幅広いジャンルのメディアの中からエンゲージメントスコアの高いターゲット媒体を探し出し、施策を集中的に展開することによって効果を最大化させるというアプローチになる。その好例として、原氏はBMW Japanの「MINI」における広告事例を紹介した。

広告するMINIの商材は同ブランドの最上位モデル「John Cooper Works」。エンジン最高出力305馬力という専用チューニングが生み出す圧倒的なパフォーマンスが魅力の1台だ。しかし広告主には、その良さを訴求したいがマス広告を打ってもその価値をなかなか理解してもらえない、セグメンテーションをしてキャンペーンを打ってもターゲット層が変わり映えしないという課題を抱えていたという。そこで、FUNQに集まるこだわりの強い読者の中から新たなターゲットを探し出し、的確にキャンペーンを展開したいというニーズがあったのだそうだ。

では、FUNQではどのような広告展開をしたのか。原氏によると施策は2つに分かれており、まずは「新しいターゲットを見つけ出す」という調査フェイズの広告を展開したのだそうだ。

「FUNQのウェブサイトに加えて各雑誌の公式SNSでの広告を活用して集客した。LPではJCWの魅力をコンパクトにまとめたコンテンツを掲載し、来訪者の中から動画を30秒以上視聴した人に絞って行動分析して、どの媒体から来たのかなどを割り出し、広告と親和性の高い媒体を7媒体に厳選した」(原氏)。

そして次のフェイズでは、厳選した7媒体に対して獲得のためのキャンペーンを展開。雑誌の読者が興味関心を持っているキーワードで公式SNSの広告誘導を行い、大きな効果を生み出すことができたという。
「広告主からは、FUNQの施策が最も良好な結果だったという言葉をいただいた」(原氏)。

読者と広告主の親和性を探るインサイトハンティングを幅広く展開していく

原氏は、BMW Japanとの取り組みで展開した広告施策のスキームを応用して「Lifestyle Ad Pack」として幅広く広告に展開していくという。特徴的なのは、BMW Japan施策の調査フェイズにあたる「インサイトハンティング」という施策。まずは幅広く読者にコンテンツを展開して、そのエンゲージメントスコアから読者のコンテキストを理解してコミュニケーション設計をするというものだ。そこでの発見をマーケティングリサーチの材料にすることも可能だし、調査によって得られた読者インサイトに合わせて広告コンテンツを設計することもできる。

「雑誌の広告営業というとタイアップなど出口の決まっていることが多かったが、この取り組みによって(タイアップコンテンツを)作ることもできるし、作らずに課題解決することもできるという点で、クライアントにとってもメリットが大きい。多趣味な人はこだわりが強く、購買行動にも一貫性がある。FUNQは高価な商品から消費財(日用雑貨)まで幅広く相性がいいと考えられる」(原氏)。

原氏はまとめとして、メディアが持つ“PV以上の価値”とは、広さ=リーチを担保したうえで深さ=エンゲージメントを追求できることであると指摘。エンゲージメントスコアを基に読者を解析することによって、だれが反応しているのかという既存ターゲットの具現化と、未知の次なるターゲットの発見という二つの価値を提供できるとした。

「今後の展開は女性向けメディアプラットフォーム『YOLO』との連携も強化していく。FUNQとYOLOは24時間365日読者と接しているメディアであり、私たちは日々彼らの求めるものを把握している。Treasure Data CDPを活用してライフスタイルデータを一元化し、生活者が喜んでくれるようなコンテンツを提供しながらビジネス機会を創出していきたい」(原氏)。

トレジャーデータ株式会社

2011年に日本人がシリコンバレーにて設立。組織内に散在しているあらゆるデータを収集・統合・分析できるデータ基盤「Treasure Data CDP」を提供しています。デジタルマーケティングやDX(デジタルトランスフォーメション)の根幹をなすデータプラットフォームとして、すでに国内外400社以上の各業界のリーディングカンパニーに導入いただいています。
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