月間 3.8 億 PV の「Shufoo!」へ導入を決めた5つの理由
1900年の創業以来、国内最大手の企業として印刷業界を牽引し続ける凸版印刷株式会社。印刷会社として世界でもトップクラスの規模を誇る同社は、情報コミュニケーション、生活産業、エレクトロニクスなど、印刷以外の領域でも高い技術を有している。
1994年には電子モール事業へも参入。現在は自社でメディア事業も手掛ける。そのメディア事業の中核を担っているのは電子チラシサービス「Shufoo!」だ。
2001年に凸版印刷が運営をスタートした「Shufoo!」では、エリアを登録したユーザーに毎日チラシが配信される。
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月間3.8億PVの「Shufoo!」へ導入を決めた5つの理由
1900年の創業以来、国内最大手の企業として印刷業界を牽引し続ける凸版印刷株式会社。
印刷会社として世界でもトップクラスの規模を誇る同社は、情報コミュニケーション、生活産業、エレクトロニクスなど、印刷以外の領域でも高い技術を有している。
1994年には電子モール事業へも参入。現在は自社でメディア事業も手掛ける。そのメディア事業の中核を担っているのは電子チラシサービス「Shufoo!」だ。
2001年に凸版印刷が運営をスタートした「Shufoo!」では、エリアを登録したユーザーに毎日チラシが配信される。いわば、新聞折込チラシの電子化サービスである。
2018年7月時点で、月間のPV数は3.8億を記録。月間のアクティブユーザー数も1,100万人を突破した。また、チラシ掲載企業は、スーパーマーケットを中心に通販、外食、保険などの業態を含めた約3,800社、11万店舗にものぼっている。
順調に成長した「Shufoo!」だが、サービス開発を担当する森谷尚平氏は「そもそもは『経験と勘に頼ったマーケティング』をしていました。現在のように『データドリブンマーケティング』を掲げるまでには、ふたつのターニングポイントがありました」と語る。
まずは2013年に行ったUIの改修だ。
このUI改修にはユーザーから「使い勝手が悪い」「なぜあの機能なくなった?」など様々な問い合わせが寄せられた。森谷氏は「結果としては、UI改修は大失敗」と振り返るが、これがきっかけとなり急速にデータシフトが推進された。
また、データマーケティングの実践により「Shufoo!」のグロースが加速する中、アクセス解析ツールに限界が見えたことがふたつ目のターニングポイントになった。「分析データからターゲティング商材を作りたい」「CRMをパーソナライズしたい」などの要望に、現行のシステムでは対応することができなくなったのだ。
そこで、凸版印刷では様々なニーズに対応できる多機能ツールの導入を検討した。しかし、不要な機能も含みどうしても高額になってしまう多機能ツールを導入することはむずかしかった。
その次に検討したのが「必要な機能のみ内製で導入する」こと。だが、開発リソースと保有スキルの観点から、自社内での開発も現実的ではなかった。
凸版印刷が最終的に選択したのが、クラウドサービスを活用した基盤の構築だ。選定の基準は「データの投入が容易であること」「他社の外部ツールやDMP連携が充実していること」「保守サポートが充実してシステム運用フリーであること」「処理が高速なこと」「固定金額で予算化しやすいこと」の5つ。
そして、こ の5つ の 項 目 に 合 致 し た「Treasure Data CDP(導入当時 TREASURE CDP)」の採用を決定した。
「Shufoo!」データの活用でCTR は 1.9 倍!
凸版印刷では「Treasure Data CDP」上に「Shufoo! DMP」という基盤を構築した。この「Shufoo! DMP」に集約するデータは大きく3種類。
企業や店舗特性・コンテンツなどの「掲載基本情報」、サービス内での行動やコンバージョンなど「ユーザーの振る舞い」、サードパーティからの嗜好やアンケートのデータなど「ユーザーの性格」だ。
「Shufoo! DMP」の強みは、これらのデータを組み合わせて分析することで、まず年間3,000万ユーザーの行動圏を把握している点にある。
ユーザーがチラシを閲覧する店舗を分析することで、単なる商圏だけではなく、ユーザーごとの買物行動圏が得られる。さらに、行動ログや属性を掛け合わせることで、買い物行動圏ごとの特徴なども明らかになっているのだ。
また、3,000万ユーザーのチラシ閲覧情報があることで、店舗の状況までも見えてくるのが「Shufoo! DMP」のもうひとつの強みだ。
どのようなユーザーがチラシを閲覧しているのかを店舗軸で分析することで、新規顧
客と既存の顧客の割合、競合店との住み分け状況などを可視化することができる。
凸版印刷では、まずこの「Shufoo! DMP」を「Shufoo!」のサービスに活用。ユーザーを「ライトユーザー」「ミドルユーザー」「ロイヤルユーザー」の3つのステージに区別し、さらに個別のユーザーに最適化したコミュニケーション施策を実践しているのだ。
例えば「Shufoo!」では、「お気に入り店舗登録」を行うユーザーはロイヤリティがアップすることがわかっている。そこで、ミドルユーザーに向けて「お気に入り登録訴求」を実践。
行動ログなどから親和性の高い店舗をレコメンドすることで、通常の2.7倍の「お気に入り登録」を獲得した。その他にも「Shufoo! DMP」のオーディエンスデータを活用して、外部へ広告配信ができるサービスも開始した。
このサービスでは「Shufoo!」のユーザーと外部で接触したり、「Shufoo!」でセグメントしたユーザーを拡張して外部メディアへ配信したりすることが可能。
このサービスを利用した大手スーパーのイトーヨーカ堂では、媒体社のオリジナルセグメントと比較して、1.9倍のクリック率を達成した。
森谷氏は、「Shufoo!」の展望を次のように語る。
「今後は、ジオデモグラフィックスや天候などの『環境データ』、ID-POSやGPSを活用した来店コンバージョンなど『詳細な買い物データ』をインプットして、もっと買い物嗜好がわかるDMPにしていきたいのです。
そして、そのデータを活用して外部への広告配信の精度を高めたり、『Shufoo!』内でダイレクトにユーザーとコミュニケーションができるようにしたり、1stパーティ同士のユーザーデータ連携を通してさらにサービスを強化していきたいと考えています」(森谷氏)