コネクテッド時代を経てデータ時代へ CES 2019テックトレンド速報
CES 2019がいよいよ開幕します(2019年1月8日〜1月11日)。最新テクノロジーが集うトレードショーとして、世界中のイノベーターが注視するCES。PLAZMAのプロデューサーである西村真里子氏はCESに7年連続で参加、最先端のイノベーションとビジネスが交叉する未来をウォッチし続けています。
今回は、本番スタートに先立って、CESを主催するCTA(Consumer Technology Association)がメディア向けに発表したテックトレンドと、その年の優秀プロダクトに授与されるCESイノベーションアワード受賞作品が展示される「CES 2019 Unveiled」イベントを、西村氏が現地から速報としてお送りします。
我々は「データ時代」へ突入する
CTAのマーケット・リサーチ部門トップのスティーブ・コーニングがメディア向けに発表した資料では2000年代は「デジタル時代」、2010年代は「コネクテッド時代」で、来たる2020年代は「データの時代」になるという。もともと家電トレードショーだったCESが家電だけではなく自動運転、スマートシティー、エンタメ&コンテンツも含むテクノロジートレードショーへと進化した背景に「コネクテッド」、IoTがある。モノとコトがつながりだして、今まで取れなかったデータの価値を発見したのが2010年代後半だとすると、そのデータの価値を優先に考えてプロダクトやサービスを作る時代が2020年代以降であるというのだ。
さて、そのデータを取る元となる「IoT」も「Internet of Things」から「the Intelligent of Things(より賢いモノとコトのつながり)」へと進化しているとスティーブは続ける。接続するプロダクトのプロセッサーやチップ、エンベッドAI端末および取得データの活用に人工知能が活用され、単につながるだけではなく賢くつなげるケースが増えてきているというのだ。
その優秀な事例としてAmazon Alexaが紹介されていた。Amazon Alexaはすでに20,000個以上の互換性あるプロダクトがリリースされ、機能も6,000以上存在していると発表されていた。音声認識デジタルアシスト機能付きのプロダクトは、CESでも自動車から冷蔵庫などの家電など多岐に渡るエリアで確認することができる。
CESイノベーションアワード最優秀賞「Snips」
昨年からは Amazon AlexaとGoogle Assistantのどちらかを埋め込んでいるプロダクトを紹介するところが劇的に増えたが、スタートアップとしてもおもしろい挑戦をしかけている企業もある。CESイノベーションアワード最優秀賞を取得したフランス発の「Snips」だ。オフラインでリアルタイムに自然言語対応の音声認識デジタルアシストが受けられるもので、英語、フランス語、イタリア語、ドイツ語、スペイン語、日本語に対応している。オフラインで利用できるため、GDPRなどのデータ保護基準もクリアしている。デモではオフラインの洗濯機に対して音声対話形式で作業コマンドを出していた。家庭内はもちろん今後飛行機などネット接続が非力な環境でもSnipsの技術は使われていくのだろう。(ちなみに必要システム条件にはArmチップが記載されている)
第二弾記事では「データ時代」における、薬に頼らないデジタルヘルス領域の取り組みについて紹介する。